長久手市での竣工写真撮影は、冬の快晴の日の撮影となりました。
白い壁には空の青が映り込むほど
南側には強い太陽がありましたが、北面には直射は入りません。
回りこんだ光のなかでは、陰影で形をつくることができません。
だからこそ、立面の構成がそのまま見えてきます。
この住宅は、切妻屋根の勾配と軒、板張り風ALCの壁がつくる水平ラインが印象的でした。
開口部もそのラインに対して素直に整理されています。
まずはしばらく立ち止まり、どの高さがいちばん落ち着いて見えるかを探します。
軒先のラインが自然に通り、立面の重心が浮かない位置。
北面はごまかしが効きません。
そのぶん、整い方が正直に写ります。

玄関・アプローチ
扉を開けると、床の切り替わりと奥の開口がまっすぐにつながっていました。
動線と視線が同じ方向に伸びています。
わずかでも傾くと、その軸が崩れてしまう。
水平と垂直を整えながら、空間がいちばん素直に見える位置を探しました。
ニッチに落ちる影も、主張しすぎない程度に。
奥行きは、少し感じられるくらいがちょうどいい。

リビング ― 断面の光
吹き抜けのあるLDKでは、高窓からの光が断面方向に落ちてきます。
時間によって、壁の明暗の境界が少しずつ動く。
わずかな時間の経過で影の長さも変わります。
その変化を見ながら、
断面の構成がいちばん自然に読める瞬間を待ちました。
広く見せることはできます。
でも、それをすると実際の寸法感覚が変わってしまう。
この空間が持っているスケールを、そのまま残したい。
今回はそこを優先しました。




ダイニング・キッチン
キッチンのタイルは、立面の中で静かな重心になっています。
白い壁との境界が、空間を引き締めています。
面と線、硬さと柔らかさ。
それぞれがぶつからずに並んでいる状態を整える。
少し引き、少し待つ。
その繰り返しでした。

建築写真について
立面の基準線がきちんと通っていること。
断面の光が過剰に演出されていないこと。
素材同士の距離が変わっていないこと。
建築写真は、設計された関係性を崩さずに写す仕事だと思っています。
強く派手に見せるより、正しく見えること。
今回も、その感覚を大切にしました。
設計・施工:ユニバーサルホーム名古屋北店
写真:建築写真家 近藤雅美