伝統的な和の意匠が持つ深い美しさを、建築写真撮影を通じて表現しました。今回は、日本の繊細な美意識と職人の高い技術が凝縮された「千本格子(せんぼんごうし)」が施された空間の撮影事例をご紹介いたします。

千本格子は、その美しい等間隔の繊細なラインで空間を緩やかに区切るだけでなく、古くは魔除けの効果や見張りとしての役割も持っていたとされる、機能美と深い意味を兼ね備えた意匠です。堀田建築株式会社様のこの作品においても、格子のすっきりとしたラインが空間に凛とした気品を与えています。
この格子が生み出す空間の最大の魅力は、時間や季節によって変化する「光と影の表情」にあります。障子をはめた状態では、外からの自然光が和紙を通して空間全体を優しく包み込む「柔らかな拡散光」となり、日本の建築ならではの静謐な空気感を醸し出します。

一方で、障子を外した状態にすると、空間の表情は劇的に変わります。格子の細かな隙間から室内に向かって太陽の直射光が走り、床や壁にシャープな縞模様の陰影(光の筋)を鮮明に描き出します。このメリハリのある明暗のコントラストは、空間に独特の立体感と職人技の凄みを吹き込みます。
建築写真専門の写真家としての私の役割は、こうした設計者様や大工職人様がこだわり抜いた木組みのディテール、そして意匠が持つポテンシャルを100%引き出すための「最適な光の瞬間」を見極め、正確にカメラに定着させることです。露出のシビアな管理により、ハイライト(光の筋)の白飛びを抑えつつ、シャドウ(影)のグラデーションを豊かに残すことで、職人技の精密さと木素材の温かみをより深く施主様に伝えることが可能になります。
和の伝統美やこだわりの造作意匠を魅力的に伝える竣工写真撮影をお求めの設計事務所様・工務店様は、ぜひお気軽にご相談ください。
建築:堀田建築株式会社
写真:建築写真家 近藤雅美
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